育毛に亜鉛が良いらしいと噂を聞きますが、亜鉛ばかりを摂取していても髪に良い影響は与えません。今回は亜鉛による育毛効果や正しい摂取量についてご紹介していきます。
もくじ
亜鉛で育毛?逆効果?
亜鉛ってそもそも何?
亜鉛とは髪に良いとされる成分の一つで、身体の働きをサポートしてくれる役割を果たしています。例えば免疫力を向上してくれたり、新陳代謝が活発化され成長や発育を促してくれます。これが亜鉛が育毛に効果があると言われる所以です。ですがこの亜鉛は体内で生成することが不可能な成分なため、食事で摂取する必要があります。亜鉛を含んでいる食べ物は以下の通りです。
- 肉類
豚レバー、牛もも肉、鶏もも肉 - 魚介類
牡蠣、生のほたて、シジミ、ウナギの蒲焼 - 大豆製品
納豆、高野豆腐
成長や発育を促す亜鉛が逆効果な理由って?
身体に良いと言われる亜鉛ですが、過剰摂取は逆に身体に害を及ぼす存在に変わってしまいます。亜鉛の上限摂取量は成人男性で40~45mg、成人女性で35mgと定められています。通常生活している分には上限に達することはありませんが、サプリメントの過剰摂取や牡蠣の食べ放題には注意が必要です。急性亜鉛中毒になると発熱、頭痛、嘔吐、めまい、胃痛、腎臓障害、免疫力低下、貧血などの症状が現れることからも身体に悪影響を与えていることが分かりますね。
DHT・AGAの抑制になるのか?
亜鉛によってDHTを抑制することは不可能で、逆にストステロンが増加すると言われていますので、AGA治療には逆効果と言われています。
そもそもDHT(ジヒドロテストステロン)とは、髪に影響を与える男性ホルモンの一つです。テストステロンと5αリダクターゼという酵素が結びついて出来るもので、毛髪をつくる細胞の働きを低下させてしまいます。
亜鉛がDHTを抑制すると言われているのは、DHTを生成する5-αリダクターゼを阻害するという研究結果が出たからなのです。ですがこの5-αリダクターゼの阻害は亜鉛の大量の毒性によるものです。
育毛として亜鉛の摂取量目安は?
一日の摂取量は成人男性の場合10mg、成人女性の場合8mgが推奨されています。男性・女性共に摂取量の上限がありますので摂取量には注意しましょう。
- 牡蠣 5~6個
- 数の子 6~7本
- 豚レバー 200g
- 牛肩肉 250g
一日でこれだけの量を摂取することは難しいと思いますのでサプリメントと併用してバランスの摂れた食事をしましょう。
亜鉛の吸収を助けるビタミンCとクエン酸
発育効果が期待できる亜鉛ですが、体内への吸収率は非常に悪く30%程です。亜鉛を効率的に吸収したい場合はレモンに多く含まれるビタミンCやクエン酸と一緒に摂取すれば3割近くも吸収率を上げてくれます。
亜鉛の吸収を妨げるフィチン酸
誰もが口にしたことがあるスナック菓子やファストフードの料理には亜鉛の吸収を妨げるフィチン酸が含まれている物が多いです。先ほどご紹介しましたように亜鉛は体内で作り出すことが出来ない成分です。口から摂取する必要がありますが、折角気を使って亜鉛を含む食事を摂っても食べ合わせによっては吸収を阻害されてしまい、亜鉛が不足してしまうこともあるので注意が必要です。
- ナッツ類
アーモンド/ヘーゼルナッツ/ピーナッツ/くるみ/カシューナッツ/マカダミアナッツ - 全粒穀物
とうもろこし/白米/小麦/大麦 - マメ科植物
豆類/エンドウ - 油料種子
大豆/豆腐
亜鉛は髪を太く、髪質の改善になる?
ここまでくるとお分かりかもしれませんが、亜鉛が育毛に良い、AGA治療に直接関係している訳ではありません。亜鉛不足が薄毛にの原因になりますので、亜鉛が不足しないようにさえ注意すれば問題ありません。育毛に良いという噂を信じて過剰摂取してしまうと逆にDHTを増加させることになり抜け毛が増えてしまいますので一日の正しい摂取量に抑えるようにしましょう。あまりにも亜鉛が含まれすぎているサプリメントは服用を考え直してみるのもいいかもしれませんね。
亜鉛とノコギリヤシの併用による育毛について
ノコギリヤシとは?
ノコギリ状の葉が名前の由来となっているノコギリヤシは北米南東部に生息するヤシ科の植物(ハーブ)です。DHTの生成を抑える効果や、前立腺肥大の治療に使われています。
前立腺肥大で治療中の方のDHTを調べた結果DHTの減少が見られたことから育毛に効果的と言われるようになりました。DHTの減少の他炎症を抑える効果もあるそうで、効果は個人によってばらつきますがノコギリヤシによるAGAの改善効果が見られました。
ただし、こちらも副作用がありますのでノコギリヤシに関してまとめた記事も是非一緒にご覧ください。
併用による効果に根拠はありません
DHTを減少させてくれるノコギリヤシと、身体の発育を促す亜鉛を併用して摂取することによって毛髪への栄養が行きわたりそうですね。医学的にノコギリヤシと亜鉛の併用で育毛に効果があるという根拠はありませんが、不足しすぎは抜け毛の原因となってしまいますので、適度に摂取するようにするといいかもしれませんね。
最後に
亜鉛に関してご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?実は上限摂取量を超えて亜鉛を摂取していたという方もいらっしゃるのではないでしょうか?薄毛を気にするあまり大量に摂取すると亜鉛の毒性によってDHTを増加させてしまう原因に繋がりますので、ぜひ一度一日の摂取量を見直してみてください。亜鉛が不足しがちかも知れないと感じる方は積極的に亜鉛の含まれる食品を栄養バランスをしっかりと考えながら摂取しましょう。